手取りはなぜ額面の約8割なのか|給料から引かれるものの正体

公開: 2026年8月30日

給与明細を見ると、「総支給額」と「差引支給額(振込額)」の間に大きな差があります。年収400〜500万円台の会社員なら、手取りは額面のおよそ78〜80%。この2割はどこへ消えているのでしょうか。

引かれているのは3種類

給料から天引きされるものは、大きく分けて次の3つです。

1. 社会保険料(額面の約15%)

もっとも大きいのが社会保険料です。内訳は以下のとおりで、いずれも会社と折半しています(下は本人負担分)。

  • 健康保険料:協会けんぽで額面の約5%(都道府県で料率が違います)
  • 厚生年金保険料:額面の9.15%(料率18.3%の半分)
  • 雇用保険料:額面の0.55%(2025年度)
  • 介護保険料:40〜64歳の人のみ、約0.8%上乗せ

合わせると、40歳未満で約14.7%、40歳以上で約15.5%が社会保険料として引かれます。

2. 所得税(額面の数%〜)

課税所得に応じて5%〜45%の累進課税です(別途、復興特別所得税2.1%)。年収400万円前後なら実質的な負担は額面の2〜3%程度ですが、年収が上がるほど税率が上がります。毎月は概算で源泉徴収され、12月の年末調整で精算されます。

3. 住民税(額面の約5〜7%)

課税所得の約10%(所得割)+均等割(年5,000円)です。ただし住民税は前年の所得に対して課税され、その年の6月から翌年5月にかけて天引きされます。新社会人が「2年目に手取りが減った」と感じるのは、1年目に住民税がかからず、2年目の6月から始まるためです。

年収別の手取り率

額面年収手取り(年間)手取り率
300万円約240万円約80%
400万円約317万円約79%
500万円約391万円約78%
700万円約531万円約76%
1,000万円約727万円約73%

(独身・40歳未満・東京都在住の概算)

年収が上がるほど手取り率が下がるのは、所得税の累進性と、社会保険料の一部を除いて上限がないためです。

手取りを増やすには

税金は「課税所得」を減らすと軽くなります。代表的な方法は次のとおりです。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除。所得税・住民税の両方が減ります。
  • ふるさと納税:実質2,000円の負担で返礼品を受け取れます。ふるさと納税 上限シミュレーターで上限を確認できます。
  • 生命保険料控除・医療費控除:条件を満たせば課税所得が下がります。

自分の手取りを具体的に知りたい場合は、手取り計算ツールで月額・年額の内訳を確認できます。転職や昇給で手取りがいくら増えるかは、昇給・転職の手取り比較が便利です。

記載内容は一般的な情報であり、税務・投資・法律に関する助言ではありません。 制度は改正されることがあります。判断の際は公的機関や専門家にご確認ください。